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職員からのメッセージ

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桒田 法宜 / 京都市大原野の杜 管理栄養士

桒田 法宜

1 )なぜ障害者施設の栄養士として働こうと思ったのですか。

元々、厨房の委託業者で勤務をしており、転属した先が偶然、ふれあいの里療護園となり、私が管理栄養士の国家資格を取ったタイミングで法人に勤務されていた管理栄養士さんが定年退職されるということで面接受けないか?と声をかけて頂き、縁あって現在に至るということです。

2 )実際に障害者施設で勤務してみていかがでしたか。

日々の給食の内容や食べることに対して、言葉にされなくてもとても強い思いがあると感じました。食べることは本能であるため必然なことと思われますが、皆さん好き嫌いがはっきりとしており、言葉だけではなく顔や行動に全て現れてこちらに訴えかけているように感じました。ご利用者からは時には厳しい言葉もいただきましたが、皆さんに喜んでもらえる給食を出すことによって徐々に信頼関係を築くことができ、もっと喜んでもらうためにはどうすれば良いのかと考えるようになりました。 飲食店のように評価が売り上げで判断されることはありませんが、毎回ダイレクトに反応をいただき、入所されている利用者様の一生涯の健康を食事面から担うことについて、責任は重いながらも非常にやりがいのある職務であると思っています。

3 )施設のメニューはどのようにして決めるのですか。

基本は食事摂取基準という国が定めた指標に沿って作成しています。また、数字だけではなく、利用者様の好きな物嫌いな物、食べ合わせ、職員が毎食記入している検食簿の評価などを考慮して立てていきます。 季節を感じていただくために春は苺フェア、暑い夏には肉系のガッツリしたスタミナメニュー、寒い冬には鍋類の温かメニュー、節分や水無月、クリスマスのケーキなど行事食も提供しています。施設の外で食事をする機会が少ないので、施設に居ながらも四季を感じていただけるように心懸けています。一汁三菜だけではなく、ラーメンや焼きそばなどの麺類、オムライスや天津飯などといった外食メニューも取り入れていつもと違う食事も楽しんでいただいていると思います。

4 )食を通じて利用者を支援するとはどういうことだと思いますか。

利用者様にとって「食事は一番の楽しみ」と言われるぐらい大きなことなので、健康面を考えて献立を立てることはもちろんですが、美味しいと喜んでもらえる時間を提供することが一番必要であると考えています。 入所されている方々にとって、施設は自分の家と同じ位置づけであると思われます。そのため親御様がされることであろう誕生日のお祝いや行事食で季節を味わう、たまの外食でいつもと違う食事を楽しむことなどを給食が担うべきだと思います。 またこれからの課題として、健康を維持する、生命を維持するための食事に重きを置かなければならない方も出てくると思われます。安全面と食事形態のバランスを考えながらも食事が楽しいものからつらいものにならないよう、安全で美味しく食べてもらえるように考え、支援職員や看護師など多職種と協働していくことが栄養士からの支援であると思います。

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